DEANと共に初来日!韓国の新鋭シンガー、Rad MuseumのDEANとの蜜月

  • 2018.11.17 Saturday
  • 14:47

今年韓国の人気R&Bシンガー、そして私も特別好きなアーティストであります、DEANが約2年ぶりの来日公演を12/8に行います。しかも彼がリーダーを務めるクルー、CLUBESKIMO(Crush, Punchnelloなど9組が所属しています)のクルー・メイト、Rad Museumも引き連れて。今回、日本ではあまり記事になっていないRad Museumの紹介も兼ねて、この2組のここ約1年半の蜜月ぶりをその音楽性から紐解いていきたいと思います。

 

 

新鋭シンガー・ソングライター、Rad Museumのこれまで

 

DEANについては、昨年末リリースした「instagram」が韓国のシングル・チャートで1位を獲得するなど、K-Popに興味のある人にとっては馴染みのあるアーティストですが、一方のRad Museumは作品は昨年出したEP『Scene』の一枚のみ。DEANを熱心に追いかけている人でも無い限り、あまり耳にしたことの無い名前だと思います。

 

本名をSo Haejoonとする彼は元々、CLUBESKIMOに所属しながらCamperという名前でグラフィック・アーティストとして活動していましたが、2016年12月、突如「Rad Museum」にアーティスト名を改名し、「Island」という曲をSoundcloudにアップします。(Soundcloudの楽曲ページは削除済み)

 

Rad Museum 「Island」

 

ヒップホップやR&B、エレクトロをやっているクルーの他の面々とは一線を画する、生バンド・サウンドに当時はびっくり。エルトン・ジョン (「Bennie and Jets」なんか)やベン・フォールズを想起させるピアノ・ロック的曲調からは、彼の「ポップス愛」や「ロック愛」的なものを感じ取りましたし、個性を強く打ち出しているなあ、という印象でした。

 

 

EP『Scene』で開花させた

ロック x ロウなサウンドとCLUBESKIMOの関係性

 

2017年10月、DEANが主宰するレーベル「you.will.knovv」 (2xxx!, Rad Museum, Miso, Reone, Prep, Dean)が所属する別クルーの名前でもある?)からEP『SCENE』をリリース。 ここで彼の音楽性は一気に進化しました。

 

 

特に印象に残るのはロックの影響の強さで、とりわけギターの役割が目立ちます。例えば「Dancing in the Rain」は繊細なアルペジオと中盤のピアノの伴奏がElliott Smithのエモさとリンクさせるし、ハードコアな「MADKID」なんかはジョン・フルシアンテばりのハードでブルース的なギター・ソロも聴かせてくれます。

 

(Live Session) Rad Museum - Dancing In The Rain ft. Jusén

 

 

そして、スロウでチルな時とハードな時のギャップを作るのも上手で、その静と動の世界観はとてもロック・バンド的で、かつDEANの作品にも似たロマンティックな雰囲気を持っていると思います。

 

チル・ヒップホップなビートにギターを乗せただけの「Over the Fence」、優しいキーボードの響き、星空に飛んでいってしまいそうなくらいMISOが歌うコーラスが美しい「Cloud」など序盤は「”静”の美しさ」に集中し、先述の「MADBOY」、作品中ではアップテンポな部類に入る「Tiny Little Boy」などでは「動」を以てクールさを演出しています。

 

 

「ロック」と同じくらい重要なのはサウンド(ビート)が「ロウ(粗い)」であること。例えばこのライブ・パフォーマンス(3:48〜)なんかは生演奏ではなくて、ビートを流してそこに歌を乗せるだけですが、最終的に「ビートもの」として収まる感じが、彼がDEANやCrushを中心に添えたCLUBESKIMOというクルーに属するアーティストであることを思い出させてくれます。このローファイなビートはメインストリームのK-Popのウェルメイドな感じとは対照的。そして、それはクルーの名前を"シベリア、カナダ、アラスカに住む、生(raw)肉を食べて暮らすワイルドな生活をするEskimo族"から取っている彼らに取って重要なポイントでもあるのです。

 

 

DEANとRad Museumの音楽的蜜月

 

そこで思い出すのが、昨年のシングル「Limbo」以降のDEANの作品です。

 

デビュー当初、特にAnderson . Paakと客演した「Put My Hands on You」からのDEANの特徴は90s R&Bにフューチャリスティックな質感をミックスしたもの。それが、「Limbo」収録の「The Unknown Guest」では、粗い録音っぽい雰囲気をわざと出していますし、この曲の音数少なめかつスロウなピアノのみのシンプルなつくりも注目に値します。

 

そして、決定的だったのは、昨年末にリリースされチャート1位を記録するなど大ヒットを記録した「instagram」。ここで突如、ギターが前面に登場します。MVがFrank Oceanの『Endless』そっくりなのも相まって、そのサウンドには彼のアルバム、『blonde』からの影響を強く感じますが、それと同時にこのギター x ロウなサウンドにはRad Museumのサウンドとのシンクロも気付かずにはいられないでしょう。先述のCLUBESKIMOのクルー名の由来を考えれば、彼にとってこうしたロウなサウンド自体はそれ以前から作りたかったコンセプトで、そこに『blonde』、Rad Museumとの関係が良い影響を与えたのかもしれません

 

DEAN 「instagram」

 

そして先日、11月8日に公開されたDEANの新曲「dayfly」。元f(x)のソルリと共にRad Museumが歌詞を歌い、そしてそのサウンドはここでもギター x ロウなサウンドを展開しています。

 

DEANの今年の活動を振り返ってみると、「instagram」リリース以降は、レコーディングのためかロンドンに行ったり、(CLUBESKIMOではなく)you.will.knovvの面々とロンドン、アムステルダム、そして秋にはアジアをバンコク、クアラルンプールと回ったりしていましたね。その中でもRad Museumは創作面でもプライベートでもとても近い存在になっているのかもしれません。

 

アンダーグラウンドなラッパー達と交遊する一方で、EXOに楽曲提供したり、GIRLS GENERATION(少女時代)のテヨン、Suran、Heizeのようなメインストリームなアーティストとも共演するクロスオーバー・アーティストであるDEANとまだ無名のシンガーのRad Museum。影響力を持つ前者と、彼がフックアップする新鋭シンガー、彼らによる斬新なサウンド・コンセプトがどんな風に韓国で、ワールドワイドで動いて行くのか、注目です。

 

DEAN: instagram Twitter

Rad Museum: instagramアカウント

DEAN, Rad Museum来日公演詳細

Best Korean Songs of The Month, Oct 2018

  • 2018.11.06 Tuesday
  • 22:32

今回ピックアップした曲を収録したSpotifyのプレイリストはこちら

 

15. Kiha and The Faces "Cho Sim"

14. Vibe "Fall In Fall"

13. Zion T, Seulgi “Hello Tutorial”

12. Crush "None"

11. Dua Lipa, BLACKPINK "Kiss and Make Up"

 

10. SOHEE, Bolbbangan4 “Hurry Up”

 

9. Tiffany “Teach You”

 

8. Coogie Superbee, D.Ark, Changmo “saimsaim”

 

7. pH-1, Kim milli, Loopy, Paloolto “Good Day”

 

6. Ele “Out Of My Side”

 

 

5. Sik-K “FIRE (Prod. GroovyRoom)” 

 

 

勢いのある若手MCを多数抱えるヒップホップ・レーベル、H1GHR MUSICに所属するラッパー、Sik-Kが、彼とってのパートナーと言ってもいいでしょう、人気プロデューサー・デュオとGroovyRoomと組んだ最新曲。「iffy」「Blue Moon」なんかを聴いてもらえればすぐわかると思うのですが、今まで音数の少ない軽い感じのビートが多かったGroovyRoomが、「ヘヴィなロック」をやっていてびっくりしました。Sik-Kの衣装や身振り手振りなんかもまさにロック・ミュージシャンです。

 

こういうプロダクションってややもすれば、チージーでダサいものになってしまうものと思うのですが、そこはさすがGroovyRoom。ギターは歪んで厚みのある音ですが、全体的にはやはり無駄な音がない、というところは変わってない気がします。アメリカの今のアーティストでいうなら、ポップ・チャートでも売れているロック・バンド、Twenty One Pilotsのロックだけど、スカスカの音の一つ一つがヘヴィな感じ(だからメインストリームにフィットする?)と、Lil Peepとかのヘヴィなエモラップの合間にハマってる感じです。Sik-KもGroovyRoomも今月来日します。

 

 

4. fromis_9 “LOVE BOMB”

 

 

fromis_9(プロミスナインと読みます)はMnetのオーディション番組「アイドル学校」出身のメンバーによって結成された9人組。イントロの「ドッドドドド…」から強烈なインパクト。BPM154の高速なトラック、コーラスの「ラッバン ラッバン ラババン…」というフレーズといいものすごい中毒性で、先月は何十回も聞いてしまいました。で、クレジットを見て気付いたのですが、少し前にはLOONAの「Hi High」(今年のK-Popで一番好きな曲です)に参加していた日本人のソングライター、Mayu Wakisakaさんがここにも参加していました。考えてみれば、彼女が以前参加したTwice「Knock Knock」といい「Hi High」といい、K-Popの「バブルガム・ポップ」的な部分に彼女がよくフィットしているのだと思います。

 

 

3. Loco “It Takes Time feat. Colde”

 

 

Jay Parkが設立した、これもまたH1GHR MUSICと同じく人気ヒップホップ・レーベル、AOMG所属の人気ラッパー、Loco。彼は絶賛現在新シーズンが放送中の大人気、ラップ・サバイバル番組「SHOW ME THE MONEY」のシーズン1のウィナーであり、メロウなトラックと物憂げなラップで人気を博しています。今年春に出た「Don’t」では人気ガールズ・グループ、MAMAMOOのHwaSaとコラボし見事チャート1位も獲得しました(Loco自身がHwaSaの大ファンで「理想のタイプ」とも公言していたこともあってKBSの人気番組「鍵盤上のハイエナ」の企画でコラボが実現した)。ブルージーなギター、キーボードに導かれ「これ以上お酒を注がないで/理性の紐を切ろうとしないで」と大人なオーラーのHwaSaが歌うこの曲も大好きでした。8月にはSM Entertainmentのコラボ・シリーズ企画「STATION」の一環で、EXOのBAEKHYUNとのコラボ曲も出していて、メインストリームとのクロスオーバーも強いラッパーです。

 

話が長くなりましたがこの「It Takes Time」も、メロウなトラックに乗せて、「時間がかかるんだろうな」、「俺はまた新しい心配事に/一時間ですら耐えられずにいる」、「未だに慣れないんだこういう感情は」と元カノと別れた後の孤独、葛藤を臆することなく吐露するLocoらしい気怠い感じの曲です。その倦怠感のようなものが蔓延していて、曲としてもヴァース〜コーラス(サビ)〜ヴァースという流れの中でムードの上げ下げが無いのが心地よく感じられます。

 

 

2. NCT 127 “Regular”

 

 

先月もNCT Dream「We Go Up」をピックアップしましたが、今月も同じくNCTのサブ・グループ、NCT 127から。彼らの「Cherry Bomb」「Chain」、先月ピックアップしたNCT Dreamの「We Go Up」といいNCTグループのトラックは、ドープなものばかり。ラテン・ポップとトラップをベースにしたこの曲(自分はDJでCardi B「I Like It」とBTS「Airplane Pt.2」なんかと繋げてかけたりしました)も、”キャッチーさ”と”ハードでエッジー"な部分の両立が理想的で、とても興奮します。特にヴァースの部分のトラックのミニマムさは新鮮に感じます。

 

そしてこの曲が収録されたアルバム『NCT #127 Regular-Irregular』がアメリカで86位を記録しました。これはK-Pop男性グループではBTSにつぐ記録です。先日はJimmy Kimmel Liveに出演したり、America Music Awardsのレッドカーペットに登場したりしていたようで、アメリカでがっつりプロモーションされています。それとは対照的にこんなにカッコいいのに、NCTは韓国での人気はそこまでではない。コアなファンがいるので、グループとして5作、アルバムとミニ・アルバムの1位を持っていますが、楽曲単位ではトップ10ヒットがありません。ただ逆に、もともと韓国、アメリカ、カナダ、中国、日本と5カ国出身のメンバーを擁していることもあってか、最初からグローバルなマーケットを見据えている印象です。同じく韓国国内では暫くトップ10ヒットの楽曲がないSuper Juniorもラテン系のシンガーと共演してBillboardのラテン・チャートにランクインするとか、同じ流れを感じますよね。

 

 

1. IU “BBIBBI”

 

 

1位は私の大好きな、今年25歳になったシンガーソングライター、IUのデビュー10周年記念シングルです。只今3週連続1位の記録を更新中。前作の「Palette」「Black Out」でもビート・ミュージックへの接近という傾向は見られましたが、ここに来て一気にヒップホップ(Bryson Tillerなんかを思い出させる”トラップソウル”かAriana Grande「God is a woman」、Khalid, Normani「Love Lies」のようなR&B曲とも似ている)曲に挑戦。

 

「イエローカード/この線を超えたら侵犯だよ beep」と歌ってるこの曲は、誰に対して歌っているのか。大人の女性らしい目線で付き合いたての恋人との距離感を歌ってるのかと最初は思いましたが、歌詞をよく読んでみると、最初のヴァースでは「私のゴシップ」、「あの子」といった言葉が使われており、彼女を追っかけるファンや記者たちに対しても向けられているよう。次々変わる衣装…….少し外した感じの、可愛くもかっこよくもない、なのに彼女がやるからキュートな振り付け…….と、MVにも釘付けになります。

 

Best Korean Songs of The Month, Sep 2018

  • 2018.10.07 Sunday
  • 21:13

この記事で紹介した曲を全て収録したプレイリストはこちら

 

12. Dok2, MK "Ready To Listen"

11. Kisune "Same"

10. Lim Changjung (임창정)  "There has never been a day I haven't loved you (하루도 그대를 사랑하지 않은 적이 없었다)"

9. GOT7 "Lullaby"

8. NCT Dream "1,2,3"

7. GOT7 JB “Sunrise”

6. 로이킴 (Roy Kim) - 우리 그만하자 (The Hardest Part)

 

5. SUNMI "Siren"

男性に対して「危険な自分」の警笛を鳴らすこの曲で、ワンダーガールズのメンバーだったSUNMIは、昨年の「Gashina」に続く2曲めのチャート1位を獲得。ソロ・アーティストとしての人気を確固たるものにしています。高音のシンセをベースとしたトラックから感じられる、どこか80年代らしい煌びやかさはレトロな感じですが、それがまたEDMやトラップをベースにした周囲のメインストリーム曲とは一線を引いた魅力を持たせてる気がします。

 

 

4. Punch “Goodbye”

多数のOSTへの楽曲提供で人気を持つ、シンガーソングライターのPunchの「Goodbye」は「二度と誰も愛さないで/結局私のように苦しむから」というコーラスの通り、急な失恋の後の悲しい感情を抑えることなく歌った、聴けば聴くほど切なくなる一曲。一聴して歌詞の世界観に引き寄せるセンチメンタルなメロディが、「これぞバラードの醍醐味」と思わせます。

 

3. Woodie Gochild, Sik-K HAON, pH-1 “kitkat”

一番勢いがあるように感じます、人気のヒップホップ・レーベル、H1GR MUSIC(創設したのはJay ParkとプロデューサーのCha Cha Malone)に所属する4人のラッパー、Sik-K, pH-1, Haon, and Woodie Gochildによるコラボ曲。WOOGIEによる印象的なシンセ音のループを生かしたビートは、この曲と同じくYouTubeのチャンネル、Dingo FreestyleからMVが公開されたGroovyRoomによる「iffy」(ラップはSiK-K, pH-1, Jay Park)を思い出させてくれました。MVの縦長の画面はインスタグラムを意識したものなのでしょうか。

 

2. 슬기(SEULGI)X신비(여자친구)X청하X소연 'Wow Thing"

SMエンターテインメントが、毎週金曜日にリリースするコラボ企画「STATION」。その一環として企画されたこの曲はRed Velvetのスルギ、GFRIENDのシンビ、元I.O.Iのチョンハ、(G)I-DLEのソヨンと各グループの中で特に歌やダンスの実力が高いとされているメンバーが結集した強力な一曲。1st、2ndアルバムの頃のLily Allenを思い出させる レトロな雰囲気のR&Bビートの上で各々が培って来た自信を振りまいていきます。

 

1. NCT Dream “We Go Up”

NCT Dreamは、SMエンターテインメント所属のボーイ・グループ、NCTの中の7人組グループ。NCTは他にも全18人のメンバーからNCT U、NCT 127と多数の派生グループを持っています。トラックは今年「Mine」が全米11位の大ヒットした新人シンガーソングライター、Bazziが手掛けているんですが、この軽い感じのヒップホップ・ビートはファレル・ウィリアムスのそれも思い出させます。未成年の7人達が次の高みを目指そうとするはつらつとしたエネルギーを感じさせます。NCT Dreamのこの曲を収録したEP『We Go Up - The 2nd Mini Album』には他にもファレルっぽいギター・ループを用いた「123」って曲もあって全体的にとてもキャッチーかつアップリフティングな良い作品です。

 

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