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- 2019.01.05 Saturday
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(2015年12月に他のところ向けに書いたいたものの、その媒体の企画自体が無くなってしまったのでここに...)
「SUN」こそ日本の「Happy」あるいは「Uptown Funk」であり、星野源はさながらブルーノ・マーズのようである。このイメージこそが現在日本で最も愛されているSSW=星野源を物語っているように思えてしまう。では、現在の彼の楽曲はその大文字のポップ・ソングたちと、そして彼自身はマーズとどう呼応しているのか。
音楽的参照点が近いこと、そして一聴すれば耳に残るようなわかりやすいフックやメロディ・ラインを持っており、それによって幅広いリスナーに親しまれる普遍的な魅力を手にしている、というのはいうまでもないが、その “普遍性” は歌詞においてこそ注目されるべきである。星野が “何も起きない感じ” と例える歌詞は確かに内省的、あるいはコンシャスではないし、いい意味で深さがない。そうすることで聴き手のシチュエーションを選ぶことはないし、疲労を生むこともない。加えてメロディさえ頭に残しておけばすぐにでもカラオケで歌えるような言葉選びの平坦さも特筆すべきである。これらはまさに冒頭で挙げたポップ・ソングの、深読みの余地のなさ、そして「象徴的なワードの繰り返しによるキャッチ―なコーラス」という要素と共通していよう。
敢えて「平易さ」、「フラットさ」のある歌詞にすること。それこそが、星野の普遍的な魅力をマーズのように開花させることに導いたのだろう。