上半期を彩った25枚を振り返る!【前篇】

  • 2014.06.14 Saturday
  • 14:10
 6月も16日になりました。一部のメディアが上半期のベストアルバムをリストアップする中、当ブログでも上半期を代表するアルバムを25枚リストアップ。そのバンドが初めての方にもわかるよう紹介したいと思います。
 前篇の今回は12枚です。あらゆるメディアで高評価を得た作品から、そのバンドのブレイク作となったこと間違えなしな印象的なアルバムまでそれぞれどうぞ。

後篇はこちら



*各作品、少しでもいい音楽との出会いが多くなるようにと、出来る限りYouTubeで全曲試聴出来るようリンクを張ってあります。概要のところにダウンロードリンクが記してある動画が多いですが、違法ダウンロードは絶対しないようにしましょう。

【January】

1. Against Me! - "Transgender Dysphoria Blues"
アルバムフル試聴はこちら
    

//フロントマン、トム・ゲイブルのトランスジェンダーの告白を受けて作られた、ポジティブな28分43秒//

Who? アメリカ・フロリダを拠点に活動する4人組バンド。97年に結成、6作目となる本作は、ボーカルのトム・ゲイブルのトランスジェンダー(男性から女性への転換、今後はローラ・グレイス・ジェーンと名乗る)の告白を受けての作品か。
ジャンルは? パンク、ガレージ
リリースは? 1月21日
評判は?(Critical Reception) Metacritic 82点(28の媒体の平均) Paste Magazine 9.3点など。
売上は?(Commercial Performance) 全米23位。


【February】

2. Bombay Bicycle Club - "So Long See You Tomorrow"
アルバムフル試聴はこちら
    

//着実な成長で手にした自身初の全英1位//

Who?  2009年にデビューしたUKの4人組バンド。これが4枚目のアルバム。セカンド8位、サード6位と徐々に人気も地位も上げていた。レディング・リーズフェスのオーガナイザーからは「将来のヘッドライナー候補」と期待され、2012年にはメインステージのトリから2つ前、今年はセカンドステージのヘッドライナーを務める。
ジャンルは? インディロック(アルバムごとに色が異なるのも注目)
リリースは? 2月3日、Island Recordsから。日本ではホステス。
評判は?(Critical Reception Metacritic69点(24媒体の平均)
売上は?(Commercial Performance 全英アルバムチャート1位。
その他 バンドのこれまでの作品と比べればそこまでの高評価とはいえないかもしれないが、バンド初の全英1位獲得ということでバンドの地位、人気を確かなものにした重要な1枚になるだろう。エレクトロの要素、バンドが旅したというインドなどの音楽要素が強い本作、個人的には凄く気に入っています。


3. Angel Olsen - "Burn Your Fire For No Witness"
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//-インディシーンは今年も女子がアツい-実力派プロデューサー、ジョン・コングルトンを迎えた、アメリカンフォーク、オルタナの魅力が詰まった作品//

Who? アメリカ・シカゴを拠点に活動するSSW。本作は、Bonnie Prince BillとThe Cairo Gangのバック・シンガー、ギタリストとしての活動を経ての、自身の名義としては初のフルアルバム。
ジャンルは? フォーク、インディロック
リリースは? 2月17日
評判は?(Critical Reception) metacritic84点(35媒体の平均)。The 405の9点、Pitchforkの8.3点など。
売上は?(Commercial Performance) 全米71位、全英64位。


4. St. Vincent - "St. Vincent"
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//-「インディ女子」におけるセイントお姉さんの地位は確固たるものとなった-文句なしの快心作-//

Who? アメリカはニューヨーク・ブルックリンを拠点とする女性SSW。本名はアニー・クラーク。前作「Strange Mercy」は、2011年の年間ベストでNMEで7位、Q誌で8位、ピッチフォークで11位、シングル「Cruel」も高い評価を得ていた、インディ界の最重要女性アーティスト。
ジャンルは? インディポップ、アートロック
リリースは? 2月25日 
評判は?(Critical Reception metacritic 89点。この数字は年間数枚出るかどうかの凄い数字です(ちなみに前作Strange Mercyも85点の高評価)。今のところ11以上の媒体からレビュースコアが出てる作品のなかでは今年トップ。Pretty Much Amazing10点満点、Pitchfork 8.6点など。
売上は?(Commercial Performance全米12位、全英21位。いずれも自己最高位です。

 
5. Beck - "Moring Phase"
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//-名作 “Sea Change” での制作陣と制作した6年ぶりの新作-//

Who? アメリカの言わずと知れたアーティスト、ベック・ハンセン。90年代からオルタナティヴ・ロックで確固たるキャリアを形成している超大物。Odelay(アメリカだけで400万枚以上を売り上げた。NMEのAlbum Of The Year), Sea Changeなどの名盤や、名曲Loserを持つ。
ジャンルは? オルタナティブ・ロック、フォーク
リリースは? 2月21日
評判は?(Critical Reception) Metacritic 81点(46媒体の平均)Mojo 5点満点、Rolling Stone 4.5点など。
売上は?(Commercial Performance) 全米チャート3位、全英チャート4位。


6. Wild Beasts - "Present Tense"
    

//作品ごとに作風を変えながらもいずれも傑作、全英チャートトップ10入りも果たした名実共に文句なしのバンドに//

Who? イギリス・ケンダル出身の4人組。今作が4枚目となるが、これまでもいずれもmetacriticの点数でセカンド “Two Dancers” 83点、サード “Smother” 85点を獲得。後者はマーキュリー・プライズにもノミネートした実力派。
ジャンルは? インディーポップ、アートロック
リリースは? 2月24日
評判は?(Critical Reception) 86点(metacritic)、
売上は?(Commercial Performance) 全英チャート10位
 


【March】

7. Pharrell Williams - "G I R L"

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//Get Lucky〜Blurred Lines〜Happyの流れに乗った必然的なヒット作であり、快作//

Who? 
プロデューサーチーム、ザ・ネプチューンズ、ヒップホップにロックを混ぜたグループ、N*E*R*Dで活躍してきたUSポップス界の重要人物の2枚目のソロアルバム。昨年はDaft Punkの「Get Lucky」、Robin Thickeの「Blurred Lines」をプロデュース&客演。年末に発表した「Happy」は世界中で大ヒットした。その流れの中で本作のヒットは予想通りか。
ジャンルは? ポップ、ファンク、R&B
リリースは? 3月3日
評判は?(Critical Reception) metacritic67点(35媒体の平均)、Q Magazine・Rolling Stone4点など。
売上は?(Commercial Performance) 全米チャート2位、全英チャート1位。6月13日現在世界セールス129万枚。


8. Metronomy “Love Letters”
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//前作から一変、60年代ポップステイストが印象的な意欲作。-トップ10入りも果たし今夏はフェスに引っ張りだこのバンドに-//

Who? ロンドン出身の4人組。作曲とメインのボーカルなどを務めるジョセフ・マウントを中心に結成。これまでも独自のニューウェーヴの影響が強いシンセポップで本国UKを中心に、アルバム “Nights Out” と代表曲「The Bay」を収録した “The English Riviera” で高評価を獲得。(後者はNMEの2011年年間ベスト2位)
ジャンルは? ニューウェーヴ、エレクトロニカ
リリースは? 3月10日
評判は?(Critical Reception) 73点(metacritic)
売上は?(Commercial Performance)全英チャート7位


9. Elbow “The Take off And Landing of Everything”
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//-UKの国民的バンド、安定した芸術性で初の全英1位に-//

Who? イギリスの5人組バンド。オーケストラ的サウンドを大々的に取り上げた音楽性が特徴的。ロンドンオリンピックでもパフォーマンス、イギリスでは絶大な支持を得ており、大規模フェスでもメインステージのトリ前などの位置で出演している。名曲「One Day Like This」を収録した「Seldom Seen Kid」(Mercury Prize受賞、2009年のBrit AwardでBest British Groupを受賞)が代表作。
ジャンルは? オルタナティブ・ロック、アートロック
リリースは? 3月10日
評判は?(Critical Reception) Metacritic 80点(28媒体の平均)、Q Magazine 5点満点、The Telegraph 5点満点など。
売上は?(Commercial Performance) 全英チャート1位。
 

10. The War On Drugs “Lost In The Dream”
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//-「カート・ヴァイルが以前在籍した」なんて説明はもう不要-失意の中の希望を詰め込んだ自信作であり、傑作。-//

Who? アメリカ・フィラデルフィア出身の4人組。メンバーチェンジを経ているバンドで過去にはKurt Vileも在籍していた。このバンドのサウンドを聴けば「ああ、なるほど」とそこも納得出来るはず。PitchforkでBest New Musicのラベルが貼られるなど高評価だった前作に続く3枚目。
ジャンルは? インディロック、インディフォーク
リリースは? 3月18日
評判は?(Critical Reception) metacritic 85点(39媒体の平均)
売上は?(Commercial Performance)全米チャート26位、全英チャート18位


11. YG - "My Krazy Life"
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//-メジャー契約から5年、遂にドロップされたウエストコースト・ギャングスタラップシーンの新鋭のデビュー作-//

Who? 
カリフォルニア出身のラッパー。ヒップホップ誌、XXL Magazineが毎年選ぶ新人リスト「Freshman Class」の2011年版にリスト入り、Ty Dolla Signと組んだミックステープなどが絶賛される中、Young JeezyのレーベルCTE Worldと契約。本作はTy Dolla Signの他にも、Kendrick Lamar, Schoolboy Qなど西海岸勢を存分にフィーチャーした待望のデビューアルバム。
ジャンルは? ヒップホップ(ウエストコースト)
リリースは? 3月18日
評判は?(Critical Reception) metacritic 80点(16媒体の平均)
売上は?(Commercial Performance) 全米チャート2位、全英チャート76位


12. Cloud Nothings "Here And Nowhere Else"
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//-前作で築いた、疾走感あふれるパンク・ハードコアの現代解釈が更に充実-『黙って聴けばいい。』//

Who? アメリカ・オハイオ出身の3人組バンド。スティーヴ・アルビニをプロデューサーに迎えた前作 “Attack On Memory” で高評価を獲得し日本でも人気に火が付く。ギタリスト、ジョー・ボイヤーが抜けてから初のアルバムとなる。今週末のHostess Club Weekenderで来日。
ジャンルは? インディロック、ガレージパンク
リリースは? 3月26日日本先行リリース(アメリカでは4月1日)
評判は?(Critical Reception)metacritic78点(28媒体の平均)。Consequence of Soundは10点満点。
売上は?(Commercial Performance)全米チャート55位
 


【次点-もっと聴きたいあなたに-】
25枚に絞ると、取り上げたいのにどうしてもそれが出来ない作品が出てきてしまいますね。前篇からは4作取り上げたいと思います。ここまでの12作で物足りない方にどうぞ。作品名をクリックするとYouTubeへとつながります。

Rosanne Cash - "The River & The Thread"
・1978年から活動を続けるヴェテラン・カントリーミュージシャンの14枚目のアルバム。Metacriticで87点(19媒体)、全米11位。

East India Youth - "Total Strife Forever"
・イギリスのエレクトロアーティスト、ウィリアム・ドイルのデビュー作。Metacritic81点(20媒体)

Schoolboy Q - "Oxymoron"
・ウエストコーストのヒップホップグループ、Black Hippy(Ab-soul, Kendrick Lamarら在籍)に属するラッパーの3枚目。全米1位の大ヒット。Consequence of Sound 9.1点など。

Real Estate -"Atlas"
・アメリカ・ブルックリンを拠点に活動するバンドの3枚目。Metacritic78点(31媒体)
 


【番外編-上半期の顔-】
前篇・後篇、アルバムをリストアップするだけでは、シーンを振り返るには少し物足りないと思う方もいるでしょう。
前篇では、上半期活躍・ブレイクしたアーティストを3組リストアップし振り返りたいと思います。

Iggy Azealea (イギー・アゼリア)
    

 インディシーンでも女性の活躍が目立ったが、それはポップシーンでも。オーストラリア出身の新人のラッパー、イギー・アゼリアは3週連続全米1位のシングル「Fancy Ft. Charli XCX」で時の人となった。
 今年2月にリリースされた3枚目のシングル「Fancy」が最初に発売されたUKで5位のヒット、つまりヒップホップファンを超えて愛される楽曲となったのだ。「Fancy」は同様にアメリカでも大ヒット、SNLことSaturday Night Liveのスキットに大女優アンナ・ケンドリックが出演した際にカヴァー、それからジミー・ファロンが自身の番組「The Tonigh Show」でのエマ・ストーンとの口パク(Lip Sync)バトルでこの曲を披露など話題はつきない。アルバム “The New Classic” 自体の評価はそう高くはないが、Nicki Minajらと共に「女子ラッパー」界を引っ張ってくれそうな逸材。


Sam Smith
      

 年始のBBC Sound ofの発表では見事1位、Brit AwardでのCritical Choice受賞と最高のお膳立てでデビューしたこの人も今年を代表する新人。「Money on My Mind」、「Stay With Me」の2枚のUK1位のシングルを放った。
 最近ではアルバム発売(既にUKでは1位を獲得)に合わせ、アメリカでも人気に火が付きつつあり、シングル「Stay With Me」がトップ10入りを果たした。アデルやエミリー・サンデー同様、歌唱力があってメロディもいい人はしっかり売れるということか。Hard To Explainで彼を紹介した記事があるので是非。


Kaiser Chiefs
    

 さあ打って変わってこちらは全然新人ではないですが、今年存在感の強いバンド、カイザーズこと我らがカイザー・チーフス。デビューアルバムはUK国内でだけで200万枚を売り上げ、セカンド、サード・アルバムも大ヒット、一気にモンスターバンドの座に駆け上がっていくようにも思われましたが、ヒットシングルに恵まれなかった4枚目のアルバム “The Future is Medieval” は全英10位止まり。その後もドラマーのニックの脱退に伴い、何ともネガティヴな雰囲気が流れていたように思えたこのバンド。
 しかし、やはり彼らには「インディ・ロックシーンを盛り上げたい」そんな野心が強くあったようだ。その彼らがシーンに完全復帰する方法として選んだのが、フロントマンのリッキーの人気番組 “The Voice” の審査員オファー。オーディション番組に審査員として毎週出演するなんて、インディのスターからしたら抵抗もあったはず。しかし、ここで遠慮してられなかったのが、貪欲なリッキー率いるカイザーズだ。なんと彼はダイエットして、以前からは考えられないイケメンスタイルでお茶の間に登場。ウィル・アイ・アムら他の審査員と見事なコンビネーションで、お茶の間に存在感をアピール、バンドも番組でライブを披露。この流れが功を奏し、3月に発売されたアルバム “Education Education Education &War” は、評価こそ初期の作品に劣るものの、2週連全英1位を獲得、国民的人気バンドの座を取り戻すことに成功したのだ。



 

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