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- 2019.01.05 Saturday
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5. DEAN "Bonnie & Clyde"
韓国のMiguel(もう一回言います)ことDEANの魅力は、この目つきからも出ている陰のある内省的な雰囲気(だからこそセクシーで、対照的に笑ったときは可愛いらしい)。それを最大限に生かすにはこうした密室感あるトラックが一番。このLAビート・シーン(Anderson .PaakはDEAN周辺とLAシーンの橋渡し役と言えるかもしれない)、あるいはカナダのKaytranadaらと共振するような浮遊感ある未来的なビートは、Crush含め彼周辺のトラック全般にいえることであり、Club Eskimoの一つの音楽的趣向を表しているともいえるが、DEAN自身も2xx!と共にトラック作りに関わっており、どういったトーンのトラックが自分に合っているのか、そういった戦略的な部分までDeanの頭の中にあるのかもしれない。
この曲を収録したミニ・アルバム『130 Mood : TRBL』は、The Weeknd「Can’t Feel My Face」を思わせる「21」や、Kendrick Lamar「Swimming Pools」のオマージュ的一曲「Pour Up」まであるよく出来た一枚。
4. The Black Skirts (검정치마) "Everything"
サウンドは(とりわけギターはGraham Coxon)Britpop、ボーカルやメロディ・ラインはThe CureやDuran Duranなど80年代(今年映画『Sing Street』を見た方、思い出してください)と、US育ちでありながら愛するブリティッシュ・ロックの影響を正直にアウトプットしていた少年時代(1st『201』)から、孤独なフォーク(2nd『Don’t You Worry Baby』)を経て、より大人の恋愛を経験し、それをドリームポップ、シューゲイザーといった新たに心得た表現方法を通過して表現(「Hollywood」2015)するようになった成熟期 –それがThe Black Skirts―ことブライアン・チョの現在、といったところでしょうか。
今年初頭にリリースしたこの「Everything」では、それがチルウェイブも加わってようやくインディ・ロックの現在に近づいてきたかな、といったところ。ただ、これがお見事。いままでやったことがないであろうMac DeMarcoよろしくなレベルまで徹底的に音をユルクしております。結果叙情的かつ、Chris Martin (Coldplay)、Gary Lightbody (Snow Patrol)に劣らぬメロディ・センスも相まって2016年最も美しいラブソングに。
レーベルYG Entertainment傘下のはHIGHGRND。hyukohのように同じく成功しているバンドや、millic、PunchnelloといったClub Eskimo周辺の面々もレーベルメイトです。
3. Blackpink (블랙핑크) "Boombayah (붐바야)"
このBlackpinkにデビュー前の期待以上の好感を持てたのも、ボーカル・ラップのポテンシャルもさることながら、この「Boombayah」と同じタイミングでリリースされた「Whistle」が、時にトリッキーなビートもあるBPM100くらいのミニマムなヒップホップ・トラックで、いまの北米ポップ・シーンと共振し(Fifth Harmony「Work From Home」と並べて聴いていました)、そしてあまりに自分にストライクだったから。ただ、後からどんどん惹かれていくことになる彼女たちの魅力をより体現しているのはこのハードな「Boombayah」の方だった。
いきなりの “Blackpink in Your Area”という攻撃的なフレーズ。両手を左右に縦横に、腰と足も使って…と、兎に角体を激しく動かすハードなダンス。そして、2年前のAriana Grandeと Zeddによる「Break Free」を思わせるEDMベースのハードなのトラック。これこそが若くして素顔は普通のキュートなティーンでありながら、強さ・セクシーさ、AC/DCのシャツも着熟すファッションといった同年代のガールズ・グループには無い要素・コンセプトを表現する最良の材料になっている。極めつけは、「バダ ビン バダ ブーン / パンパン パラパラ パンパンパン / チャンチャンチャン / トゥドゥルッパウ / ランボ!……」といった特に意味が無いのにやたらとパンチのあるフレーズ(タイトルの「Boombayah」も特に意味が無い)。コレがあってこその一曲でしょう。同事務所の解散してしまった先輩たち-2NE1も超えて、彼女たちはどこまでも行けそうだ。
オッパ!!
2. Live, Sik-K, Punchnello, Owen Ovadoz, Flowsik "Eung Freestyle"
止まらぬ韓国ヒップホップの熱を体現する一曲が、2015年が「It G Ma」なら、2016年はこの「Eung Freestyle」で間違いないでしょう。5人の活きのいい若手ラッパーが一堂に会したこの一曲は、誰ひとりメジャー・レーベルに属していないにも関わらずあれよあれよとYouTubeの再生回数は1,000万回を超え、北米のヒップホップ・ファンにぐんぐん広まっている。
ヴィジュアル・チーム、Dream Perfect RegimeによるこのMVは、Groovy Roomによるオリエンタルな質感のトラックとマッチするように、寺(?)で撮影。モブ全体の連帯感ある雰囲気もまた、シーンの元気ある雰囲気を現している。
ベスト・ライン
- who’s drilling now? Rich Chigga? - ( Owen Ovadoz)
- ima let you finish but, take your mic, taylor swift / haaaaan – kanye 처럼 (Live)
- touring cities in the “future” / call that “metro boomin” - (Live)
(Future X Metro Boominのラッパー/プロデューサーのコンビと、いろいろな都市をツアーしていろんな女とセックス(boom)することをかけているんでしょうか?考え過ぎ?)
1. Heize (헤이즈)"And July ft. DEAN"
16位にも登場したDEANとHezieのコラボ。こちらは、プロデューサーがDeanの曲で定番の2xx!ではないこともあって、陽のある全然違う雰囲気に。おそらくDEANが歌える一番明るいトラックでは。ただ、このブームバップっぽい90年代のヒップホップ/R&B仕様のトラックはとてもスムースで、Heizeのキュートな歌/ラップと、Deanのどこか陰のあるセクシーな歌によるデュエットが最大限に活きている。
この30曲の中でDEANが登場する曲が全部で4曲も出てきたが、私が彼のファンである、ということを棚に上げても決して大げさなことではない、と言い切りたい。結局、事務所やプロデューサー・チームの強力なバックアップのあるアイドル・グループではなく、音楽・スタイル共に自作自演でき、且つアンダーグラウンド・メインストリームどちらも自由に行き来できる柔軟さを兼ね備え、SXSWへの出演やAnderson .Paak、Eric Bellingerとの共演などアメリカへの進出もキメたDEANが最も韓国のポップ・ミュージックの活況を体現していたからだ。数々のコラボ・ワークを行ってきた中でも、その彼のポテンシャルが一番よく体現されているこの一曲に、ベスト・ソングを与えたい。
気持ちを伝えるタイミングを躊躇い続けた男女を描いた歌詞を読みながら聴くと一層楽しめる一曲。結局、一番恋するのは恋愛を扱ったこういうストレートなポップ・ソング。
10. HyunA (현아) "How's This? (어때?)"
ちゅんちゅじゃ / おって いごん おって / おって ちゅんじゅじゃ
Up つぇ いごん Up つぇ / Up つぇ ちゅんちゅじゃ
このラインが書けただけでこの曲は十分だと思います。だってもう耳から離れないじゃないですか。。。で、ヴァースの方のビートはというと、完全にウエストコースト・ヒップホップ、の特にDJ Mastardを思い出しますね。4MinuteのメンバーでもあるHyunA、昨年の「Roll Deep」でもこの路線だったみたいですが、このMVのとおりショートパンツでセクシーな激しいダンスを踊っているときが一番彼女らしいと思うので、こういういかにもチャラいトラックが合ってますね。あ、私と同じ24歳なんすね。
9. Sik-K (식케이) "알콜은 싫지만 주면 마실 수 밖에 (Feat. 박재범 / Jay Park)"
KOHHの「Dirt Boys」と似た、ぐっとダークな肌触りのトラックは注目のプロデューサー、Woogieによるもの。
このSIk-K、13年に活動開始とまだ歴が浅いんですが、昨年『Show Me The Money』のシーズン4に出演して一気にシーンでブレイク。こちら収録のアルバム『FLIP』もよかったです。長いタイトルは「アルコールは嫌いだけど、貰ったら飲むしか」
8. Twice "TT"
7. ZICO (지코) "Bermuda Triangle ft. Crush, DEAN)
-1992年に何が起こったんだ-(ZICO)
すべてはここに描かれていると思います。同じ年に生まれ仲の良い3人のヒップホップ/R&B界のスター(FANXY CHILDというクルーも組んでいる)が遂に集った一曲。ZICO名義の曲なのですが、それぞれがパートを分け合っているというよりは、一曲の中でそれぞれが適したパートを選んでいき、その結果3人それぞれのキレのいいラップ(ZICO)、甘いボーカル(DEAN)、ラップと歌どちらも自在に行き来できる(Crush)が重なり合うようにして華のある一曲に。何だかずっと前から3人組グループで活動していたかのような雰囲気ですよね。
で、それでいて、3人に加えてBlock Bのトラックではお馴染みPop Timeもプロデュースで参加したトラックは、かなりミニマムでありながらその中に最先端のベース・ミュージックのような音選びや、終盤で急にキック主体になったりと遊び心もたくさん。Billboradは2016年のK-Pop年間ベスト・ソングに。
今年ZICOのライブを観れたのですが、「しかし」「しかし」を連呼していてかわいかったですね。
批評をするときはこういうときは棚に上げておくべきと思うのですが、私も1992年で生まれであることが誇りに思えますね〜〜。
6. BTS (防弾少年団) "Blood, Sweat & Tears"
20. Dok2 "Bevery 1lls ft. The Quiett (Remix)"
代表的レーベル、Illionaire RecordsのCEOにして、活動期間も13年に及ぶ、韓国ヒップホップ界のスター、Dok2(ドッキ)。とにかくいまは金持ちで帝王という感じだが、コンテナで暮らすほどの貧困家庭(ヒップホップ・コリアによる)出身というのがいいストーリー。”Bevely 1lls”の発音だけでご飯10杯イケる。そして、同じく一緒にIllionaire Recordsを創設したThe Quiettとのコラボですが、この2人が一緒にこれほど「カネ」「Swag」っていう雰囲気を出しているのを見ると、アンダーグラウンドのラッパーはこんなにカネへの執着感というかなんどいうか、そういうの露骨には出さないようなあ、と彼らはK-Popのラッパーとは差異を図りながらも一番従来のヒップホップ感のあるラッパーたちだなあと。
19.이랑 (Lee Lang / イ・ラン) "신의 놀이 (Playing God / 神様ごっこ)
小さなライブハウス中心とはいえ、ここ日本でも柴田聡子とのジョイント・ツアーが完売の嵐だったことが記憶に新しい、イ・ラン。韓国、というかソウル・ホンデのインディ・シーン、一番の賜物でございます。FNMNLのインタビューを読んでいままで以上に彼女を好きになったので是非読んでほしい。
18. Crush (크러쉬) "Woo Ah (우아해)"
今年のMAMA (Mnet Asian Music Awards)でもベスト男性ソロ・アーティストを受賞、DEANと同じくクルー、Club Eskimoに所属する韓国のR&B界のスーパースターであるCrush。彼の場合はトラック云々というより歌・ラップで見せているイメージが強いですが、やっぱりよく聴くと、現行のLAビート・シーンと共振するようなトラックがまだ面白い(DEANにもいえることではあるのですが)。彼はこういうスロウなトラックが一番よく似合いますね。こちらが収録されたミニ・アルバム『Interlude』は同クルーに所属するMISOによるスイートな「Castaway」など多彩な曲が合って今年よく聴きました。
17. Red Velvet (레드벨벳) "Russian Roulette (러시안 룰렛)"
SM Entertainment所属の5人組。昨年はどっからどう聴いてもJessie J, Ariana Grande, Nicki Minajの「Bang Bang」みたいな曲(「Dumb Dumb」)をヒットさせたけど、こっちは結構自分の中での典型的なK-Pop女性グループっぽいポップ・ソング。ただやはりメロディ、プロダクションともよく出来ているなあと。。。何度サビのメロディを口ずさんでしまったことか。。。
16. Heize (헤이즈) "Shut Up and Groove ft. DEAN"
韓国のMiguelことDEANと人気ラップ・コンペティション番組『Show Me The Money』出演者としてもお馴染みHeizeのコラボ曲。この2人のデュエット自体最高ですが、やはり特筆すべきはトラックじゃないでしょうか。グル―ヴィなディスコ調のビートはMVのとおりフューチャリスティックに、それでいてフックではトラップのようなビートも出てくるし、凄いですね。。。トラック作ってるDEAN & 2xxx!のコンビ、天才ですか(DEANの曲の大半はこのコンビですね)。tofubeatsさんも今年のベストトラックの一つに挙げてましたぞ。
15. Big Phony "Hanging On A Thread"
美しいプロダクションの下、涼しげな優しいアコースティック・ギターを奏で、エリオット・スミスのようにソフトだけど叙情的に歌うのはBig Phonyことチェ・ボビー君。ニュー・ヨークで生まれ育ったが、ちょうとポートランドに引っ越そうと考えていた折に、たまたまその時興味本位で訪れた両親の生まれた国、韓国のインディ・シーンに魅了され拠点をソウルに移していまに至ったそう。このソング・ライティングの力を持ってして今年はSXSWにも出演。この後の作品も楽しみです。
14. 박재범 (Jay Park) "Me Like Yuh"
Jay Park、ことパク・ジェボムはラッパーであり、元々2PMのリーダーなんですよね。そんな彼が最新アルバムではR&Bやポップ・フィールドに手を染めたと思いきや、これまた大当たり、しかも前作からのスパンわずか一年ですよ。このJustin Bieber「Sorry」風なBPM100くらいのトロピカル・ハウス、というよりはちょっとダンスホール風味もありますこの曲はこの夏何度も聴きましたし、DJでも何度か使わせていただきました。
13. Junggigo (정기고) "Hey Bae ft. Paoalto (팔로알토)"
あのPharrell Williams、「Happy」風な軽快なビートでトラックが幕を開けただけでこの曲との恋は始まる。一昨年、SoYouとの「Some」のヒットでブレイクしたJunngigoは安定感あるボーカル、そして何よりこの甘く且つソウルフルな声が魅力。その対称をいくようにPaloaltoの声のトーンは低く(HI-LITE Records創設者としてもお馴染み)、彼の登場がこの曲により一層幅を持たせる。もちろん聖歌隊のようなコーラスもまた最高ですね。
12. Taemin "Drip Drop"
SHINee、とりわけテミンの魅力はクールな雰囲気と、このキレッキレのダンス、と当たり前のようなことを書いてしまいましたが、このレベルの高いK-Popシーンの中で随一だと思うんですよ。この、今年のJ-Popでいう三浦大知「Cry & Fight」といった感じの曲、「Drip Drop」が収録されたアルバム『Press It』は欧米のポップ・ミュージックの最前線と同時進行するK-Popサウンドの真髄!と言いたい仕上がり。色々ある中で特に攻めてる作品だと思います。「Press Your Number」はブルーノ・マーズが作曲に参加した云々の話でも話題になりましたね。
11. hyukoh (혁오) "MASITNONSOUL (맛있는술) "
昨年「Comes And Goes」、「Wi Ing Wi Ing」(こちらはライブでシンガロング必至)(でも僕はこの「Gondry」が一番好きかな)の2曲がそれぞれ年間シングル・チャート、トップ20、トップ10に食い込むほどの大ヒットを飛ばして大ブレイクした4人組。私も今年二回ライブを観て完全に恋をしました。これは恋です。バンドに恋をしたのはいつぶりでしょうか。。。。。。。ここではドラマのサントラといえど侮ることなかれ。Stoogesかよ!といいたくなるほどの分厚いサウンド。新しい方向性を打ち出しているではありませんか、決して新しいフォーマットをやっているわけではないのに。ロックのやれることは、まだまだこんなところに落ちていましたか。。。この新曲の衝撃だけでもトップ10に入れたかったくらいなんですがね。。。